繊維の種類と性能

50.繊維の分類・・・
天然繊維

化学繊維

51.各種繊維の性能・・・
   性 能

種 類   
比 重 水分率%
20℃
65%R.H.
強 度(g/d) 伸 度(%) ヤング率(kg/mm2) 乾 湿
強度比
(%) 
公定
水分率
(%)
綿 1.54 7.0 3.0-4.9 3-7 950-1000 102-110 8.5
1.50 7.0-10.0 5.6-6.5 1.8-2.3 2000-3600 118 12.0
羊毛 1.32 16.0 1.0-1.7 25-35 130-300 76-96 15.0
1.30-1.36 9.0 3.0-4.0 15-25 650-1200 70 12.0
レーヨン 1.50-1.52 12.0-14.0 2.5-3.1 16-22 400-950 60-65 11.0
ポリノジック 1.50-1.52 12.0-14.0 3.5-5.2 7-14 950-1500 70-80 11.0
キュプラ 1.50 12.0-14.0 2.9-3.4 14-16 800-1000 70-75 11.0
アセテート 1.32 6.0-7.0 1.3-1.6 25-35 300-500 61-67 6.5
ナイロン 1.14 3.5-5.0 4.5-7.5 25-60 80-300 83-90 4.5
ポリエステル 1.38 0.4-0.5 4.7-6.5 20-50 310-870 100 0.4
アクリル 1.14-1.17 1.2-2.0 2.5-5.0 25-50 260-650 80-100 2.0
アクリル系 1.28 0.6-1.0 2.2-4.0 25-45 250-600 90-100 2.0
ビニロン 1.26-1.30 4.5-5.0 4.0-6.5 12-26 300-800 72-85 5.0

ポリプロピレン

0.91 0 4.5-7.5 30-60 160-450 100 0
52.繊維の水分に対する性能・・・
1.繊維の吸湿性は、繊維自体を構成する高分子化合物がもつ「親水基」によることが 多い。この親水基には、ヒドロキシル基(―OH)、アミノ基(-NH)、カルボキシル基(-COOH)、アミド基(-NHCO)がある。これらは水素結合によって水分を吸着させるので吸湿することが容易となる。
植物性繊維(綿、麻、亜麻、レ―ヨン、キュ―プラなど)は主成分であるセルロ―ズ(綿では九四%含有)には多くのヒドロキシル基があるので、吸湿性はよい。
動物性繊維(羊毛、キヤメル、カシミヤ、モヘヤ、その他の獣毛、絹)主成分である蛋白質はアミノ酸の重合したものであり、分子中にアミノ基、カルボキシル基、アミド基があって、吸湿性はよい。
合成繊維は植物性繊維・動物性繊維のいずれかよりも吸湿度は低い。ナイロンは分子中にアミド基を、分子末端にはアミノ基、カルボキシル基をもっているが、動物繊維より吸湿性は少ないが、合成繊維の中では多い方である。
ポリエステルは分子末端にだけヒドロキシル基、カルボキシル基を持っているが、吸湿性はナイロンより少ない。アクリルはアクリロニトルが主成分で吸湿性は少ない。
2.透湿性は湿気が繊維と繊維の間を通って一方から入って反対方向に抜ける性質で、吸湿性の少ない繊維でも通気性があれば、透湿作用がある。しかし、吸湿性のない繊維が押しつぶされて繊維集合体の密度が大きくなると通気性が低下するので透湿性も低下する。従って加重の大きい敷ぶとんやパットには吸湿性の少ない繊維は不向きである。
3.吸水性 繊維と繊維の間に水分が吸収される性質で、繊維自体に吸湿性がなくても表面がぬれる状態で隙間が適当ならば、毛細管現象で繊維全体の隙間に浸透することが出来る。発汗が多い時の寝衣の場合など吸湿性と共に重要な性質となる。
53.繊維の防虫・防黴性・アイロン適温・熱伝導率など・・・
1.防虫、防黴性
防虫、防黴、防菌等の加工をしない状態での繊維の種類ごとでは

よいもの     ポリエステル、アクリル、ポリ塩化ビニール、ビニデリン、ナイロン、
          ビニロンなどの合成繊維類

ややよいもの  レーヨン、アセテートなどの再生繊維
弱いもの     羊毛、絹、綿など
2.アイロンの適温(℃)
麻、綿(190)、絹(140)、羊毛(160)、レーヨン、キュープラ、ポリエステル
(110〜150)、アセテート、ビニロン、ナイロン、アクリル(110〜130)、アクリル系、ポリプロピレン、ポリウレタン(90〜110)であるが、繊維組成、厚さ、水分の有無、アイロンの圧力、アイロンの使用時間の長短などで差がある。
3.熱伝導率(CAl/?2/sec/℃)
水(0.0014)、空気(0.00056)、絹(0.000887)、羊毛(0.000479)、綿(0.00014)
54.繊維のふとんわたとしての特性・・・
繊維の種類・品種・等級・加工法などで性能に差がある。また同一品であっても、わた(繊維集合体)としての繊維の密度、配列方法、厚さなどで、ふとんわたとしての弾性・保温性・吸排湿性・歪率などに差が出るので各々の特性を活かした繊維の選択と製造方法及び用途を考慮すべきである。
●敷ふとん
種類 標準量目
(kg)
嵩高保持性 保温性 吸排湿性 その他
綿 6.0 打ち直し可能
綿合繊 6.0 打ち直し可能
合繊 × × × へたりが早く敷ぶとんには不向き
羊毛 2.5〜3.5  フェルト化すると打ち直しが難しい
× へたりが早く敷ぶとんには不向き
羽根(フェザー) × 特殊使用の他、敷ぶとんには不向き

●掛ふとん
綿 3〜4 打ち直し可能
綿合繊 3〜4 打ち直し可能
合繊 2〜3 × 打ち直し可能
羊毛 2〜3 打ち直し可能
1.5 打ち直し可能
羽毛(ダウン) 1.2〜1.5 洗毛・選別・再生可能

一般にわた(繊維集合体)の中の繊維密度が1??当り0.04?のときが保温率がよい。この傾向は太い繊維の時よりも、繊維が細いほど影響が大きい。

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